「眞中さん」



急ぎ足で図書室へ向かう途中、誰かから声を掛けられた。


足を止めて呼ばれた方へ振り向くと、男子生徒が一人立っている。


誰…?


でも、何処かで見たような…



考えを巡らせてはみても一向に浮かばない。


ただ一つ分かるのは、上履きの色で三年の先輩だということだけ。



「え、えっと…?」


「急に話し掛けてすまないね。僕は羽山帝(ハヤマ ミカド)。この高校の現生徒会長だよ」


「会長さん?……!」



思い出した!


集会の時に壇上で話してたのを見たことある!


確か…この人も直人や大和みたく女子に人気があるんだよねー。


で、その生徒会長さんが私なぞに何のご用なんだろうか…



「あの、私は眞中美桜といって…」


「知ってるよ。今回の二年考査の最優秀者だからね」