「ん、あったあった」
自分の机の中に入っていたペンケースを手に取ると鞄へ移す。
これがないと困っちゃうからね~。
私としたことが、ペンケースを置いてきちゃうなんて!
ではでは、撤収ー!
戻ろうと思って教室を見回すと、いつもとは違いシンと静まり返っている。
誰もいない教室。
遠くから運動部の掛け声が聞こえてきて…
昼間と比べてガラリと変わる雰囲気に違和感がスゴい。
何か、呑み込まれてしまうんじゃないかと…そんな気になる。
早く、図書室に戻ろう。
もちろん気のせいだっていうのは分かってる。
でも…私の体は急かすように動いて…
安心したかった。
一人が…いきなり怖くなった。