うーっ、眠い…
昨日は大和と花音のことを考えてたから、あんまり眠れなかったなぁ…
それに…このことを花音に伝えるべきなのかどうか…
花音。きっと、ショック…受けるだろうな。
悲しむ花音が頭に浮かぶ。
私…言い出す勇気、ないかも…
悩みと眠気と戦いながら家を出ると、隣のドアも同時に開いた。
そして出てきた人物を見て、後悔の念が私を襲う。
し、しまった…
昨日のことにいっぱいいっぱいで朝早く出るの忘れてたー!
「おはよ、今日は早くないんだ?」
「ま、まぁね…」
「そっ…じゃあ一緒に向かうか」
それだけ言うと、直人はエレベーターホールへと足を進める。
…また目撃されたら噂になっちゃうんだろうな。
そう思うと直人のいる手前吐けないため息を、私は心の中で盛大に吐いた。