リビングへの扉を開けると、直人がテレビを見ながらソファに座っていた。


相当疲れてるみたいで、少しウトウトしてるような…



それを見た途端、さっきまでの緊張感がするりと抜けていった。



「…直人」


「んー」


「今日はもう部屋行って寝ておいでよ。明日も朝から学校だし」



肩をポンポンと叩いて、リモコンでテレビを消す。



いつも気怠けな直人だけど…


こんなに力抜けた姿は初めて見るかも。


こういうの、ちょっと特別な感じがして嬉しいな。



「美桜」


「なに?」


「昨日のヤツ、なんだけどさ…」




のほほんとした心情は一変!


直人の言葉によって、さっき抜けたはずの緊張が舞い戻ってきた。



「き、きき、昨日、ね…!」



まさか今日話すとは思ってなかったからもう驚いて驚いて!