どうにか逃げ出すことが出来ないものか。
考えても身体が動かせない限り、それに意味はなく。
でも、時間も残っていないのだって私にも分かってる…
きっとこのままだと、
また意識がなくなってしまうだろうし。
やっぱり私には“アレ”に頼るしか……
「また考え事?
そういう反抗的な態度されるとさぁー。
もっと俺のモノにしたくなっちゃうのよ、……分かる?」
そう言って取り出してきた物に、あれやこれやと考えてた思考も止まる。
松田くんの持っていた物、それは……
大きな大きな裁ちばさみだった。
「……こっ、ない…で……」
力を振り絞って少しだけ距離を取ってみるものの、
体力の消耗が激しい。
頭がくらくら所かガンガンと痛み出す。