うわ、また来た…っ。
しかも…昨日と比べて重みが半端ない!
あ…、ダメだ。
立ってらんないわ…
「一度効いた相手は必ずまた効くんだよね。
今回はすんなりいって嬉しいよ」
地に伏せた私に松田くんはまた陽気な感じで…
前から苦手なタイプだとは思っていたけど…
今はっきり分かった。
私、この人嫌いなんだって。
負けん気の強い私はこんな状況下でも諦めない。
気力で顔を上げ、目の前の憎い奴に睨みを利かせた。
「…それでも、意識までは奪えないんだね?
初めてだよ…美桜みたいな人」
頬を赤く染めてうっとりしている表情に、申し訳ないが寒気を感じた。
力が効かないっていうのはそんなに特別なことなのかな?
私にはさっぱり分からないし、知りたいとも思えないけど…