モテる、といえば私の目の前にいる花音もその内のひとりだ。
パッチリした二重とぷっくりとした唇…少し低めの身長も女の子って感じがする。
見た目の可愛さもさる事ながら、元気で明るい性格が数々の男子を魅了しているといっても過言ではない。
そんな花音なんだけど、実は今まで告白しようとする男子が現れない。
それにはある理由があって。
そう、だって花音は……
「…お。美桜!聞いてんの?」
「…あっ。ごめん…ちょっと、ぼんやりしちゃって」
思索にふけっていた私は、大和の声によって現実へと引き戻される。
それと同時に告白されたことへの気まずさが舞い戻ってきた。
えっと…とにかく返事をするべき、なんだよね?
そうは思うものの口が重くて言葉を紡げない。
はっきりと言ってしまえばこの告白の答えは『NO』だから。
傷付けてしまうのが分かっているのに、簡単にはそんなの言い出せるはずがない…