「大和!行っけーーー!!!」



その場にいる全員に聞こえる位の大きな声。


花音の声が、大和が走り出した瞬間に学校中へ響き渡った。


その声量に驚いて隣の花音を見てみると…


凄く真剣な顔付き。


まるで花音の瞳には、大和しか映っていないかのようで…



さっきまでどうでも良さそうにしてたのに…


ホンット花音の溺愛っぷりを感じられるっていうか。



大和はというと、花音の掛け声に反応するようにぐんぐんとスピードを上げていく。


一人追い越し、もう一人も追い越し….


二周目に差し掛かる頃には一番に走ってる男子を捉えるまでに!



「倉沢くん。頑張ってー!」


「大和~!その意気だぁ!」



クラスみんなで大和を応援。


私も両手を握りしめて大和が一位になるように祈った。



大和…!頑張って…