「それでは、開始!」



どこから入手してきたのであろうか、坂口先生が手に持ったホラ貝を吹いた。


気分はまるで武士にでもなったかのよう。



…気分だけだけどね?



「あんまり速く動かないでよ?上は意外と、た、高いから…」


「わーってるよ!それよりも…周り、見てみろよ」


「え…、周り?」



大和に言われた通りに、周囲を見ようと顔を上げた。



「まさか…」


「そのまさか、だな…」



今起こっている状況下に唖然とする。


私の近くには…



相手クラスのほぼ半数が集まっていた。



ずっと話してきたけど、私は壊滅的に運動ができない。


それは…他のクラスにも名を轟かせる位のものなのだ。


ということで、どうやら私はマークされているらしい。