「…お。美桜!」
私を呼ぶ声に現在へ引き戻される。
気付けば大和も列に混じっていて、歩き出そうというところだった。
あれ?
私、何であの時のこと考えてたんだろう…
「美桜ってば、ボーッとしてちゃ危ないっつーの!今から騎馬戦なんだからしっかりしなよー?」
「ごめんごめん!」
花音が大声を張り上げている。
でも流れてる音楽でやっと聞こえるぐらいだった。
だから私の声も聞こえたかどうか…
グラウンドに二年が列を成す。
うちの高校では組によって点数を競いあうから、騎馬戦もクラス対抗戦だ。
一回戦は違う二クラスが騎馬を組んで戦っている。
なので私たちは観戦中…
「次は私たちだね。大和、美桜!頑張ろーぜ!」
「俺は馬になるだけだからな…美桜、お前にかかっている」
「責任丸投げですか!?いや、まぁ最善は尽くすけども…」