夕方近くまで遊び倒した私たちは、行きと同様に電車で帰路につくことに。


人一倍はしゃいでいた大和と花音は、鳥のゆりかごのような電車の揺れにつられて、寄り添うように眠ってしまった。


その姿を私は微笑ましく、直人は苦虫を噛み潰したような顔で見ていた。


あまりにも心が顕れすぎているその表情に私は苦笑い。



背後には太陽の光が電車の中を照らしている。


振り返って見てみると、これでもかという位真っ赤な夕焼けが…



「綺麗だね…」


「あぁ」



気付けば直人も後ろを向いていて、その近さに…ドキリとした。



この前のこと、思い出しちゃったじゃんか…



「ま、前から気になってたんだけどさ!」


「あ?」


「直人が花音を好きになったきっかけって…何?」



動揺を隠すようにぐるりと体勢を戻し、そんなことを直人に尋ねてみた。


もちろん、花音と大和には聞こえないように小さめの声で…