休憩も終え、遊びを再開しようと海に入った。
ちょうど昼時だからか、海の家にはたくさんのお客さんが入っているのが見えた。
その周りの売店にも人だかりが…
「おーっ、あれじゃ当分入れそうにないね…まだお腹空いてない?」
「俺はまだ大丈夫」
「俺も」
相槌を打つ直人に合わせて、私もコクコクと頷いた。
そんな他愛のない会話の中でちらりと大和を見る。
抱きしめられても、気持ちが分かったとしても…
きっと私は『傍観者』のまま。
この立ち位置から、抜け出せそうにない…
それは花音を裏切るのが怖いからなのか。
それとも、大和を友達としてしか見れないからなのか…
どんなに『彼』を見たとしても、その答えは出そうになかった。