「ふひあへん(すみません)」
「よし、分かりゃいい」
直人は頷くと、頬っぺたを摘まんでいた手を離してくれた。
多少じんじんとするものの、やっぱりある程度は加減してくれてる。
そこが直人の優しいところというべきか…
まぁそんな紆余曲折がありながらも。
取りあえず四人揃ったということで、私たちはパラソルの下で買ってきたジュースを飲むことに。
「はい。どうぞ!」
「ありがとー!美桜は私の好みをよく分かってらっしゃる」
花音に買ったオレンジを渡して、自分用に買った白ぶどうの蓋を開けた。
ごくりと音を鳴らしてジュースが流れていく。
すると渇いた喉が一瞬にして潤っていった。
口に広がる白ぶどうの甘味が何とも言えなくて…
「「おいしーい!」」
隣でジュースを飲む花音と声が重なる。
それがおかしくて、二人でクスクスと笑いあった。