「うん。ごめっ……ありがとう」
包み込まれるように腕が回される。
さっきの人には恐怖心しかなかったけど、大和には感じない…
むしろ安心して強ばっていた肩の力が抜けた。
大和の腕って…こんなにガッチリしてたんだ。
背も思った以上に伸びてるし…
何だか、大和が大人びて見えちゃうよ。
「なぁ、美桜…」
「ん?」
「あんさ、その水着…いいと、思う…」
しばらくあの状態でいたあと。
二人でジュースを買って、花音と直人の元へ戻る途中で、大和に唐突にそう言われた。
驚いてバッと横を見上げると、真っ赤になっている大和の顔。
それが照れてるんだってことは…この私でも分かって…
嬉しいけど、何かくすぐったい感覚。
「そ、そう?それは…どうも~!」
なんて返せばいいのか分かんなった。
だから私は、曖昧な返事をした。