『諦めないから』
あんなことを言われたのは初めてで…
やっぱりどうやっても大和を意識してしまう。
話し掛けられるとドキッとしたり、変に緊張しちゃったり。
接し方が、わかんない。
それに…花音の好きな相手。それが一番に出てきて…
『自分自身に嘘をつく方が…周りは傷付く』
直人の言葉が胸にのしかかる。
もちろん、自分の気持ちに嘘をつこうとは思ってない。
だけど…誰の気持ちを抜きにしても、大和に対して好きという想いがあるの?
友達としてじゃなく、恋愛対象として。
考えれば考えるほどに…分かんなくなる。
あー、もう無理!
頭が堅いからのめり込んじゃうよ…
「気分転換に、ジュースでも買ってくるか」
売店も見える位置にあるし。パッと行ってサッと帰ってこよう!
そう思って三人には声をかけずに、私はひっそりとその場から離れた。