少し掠れた直人の声が耳をくすぐる。



私…本当に、このまま直人と…




もう…触れあってしまうのではないか。


まさにその瞬間…






ブーブーブーブー!!



直人のポケットが激しく振動する。



そしてスッと直人は私から遠ざかった。



「もしもし……終わった?まぁ……あぁ。…分かった」



び………、びっくりした~~~!!



直人が電話に出ている間、私は壁にもたれ掛かるように立っていた。


だって自力では立てそうになかったから…



キス…されるのかと、思った。


顔の火照りが半端じゃない!


心臓はうるさい位に暴れていて…


安心からか涙が滲んだ。



「委員会終わったから昇降口に集合だってよ」


「あ…、うん」


私の動揺はどうしようもない程なのに対して直人は、顔は背を向けているから見えないが、口調は平然としたトーン。