直人と二人、肩を並べて歩く。
中学生の頃から結構な頻度で登下校一緒だったからもう新鮮味もない。
ただ…昔も今も、直人を見てくる視線が…怖い!
中学生、女子高生、通勤中の女の人まで…周りの女子は皆直人に目を奪われている、のに本人は気付かない!
しかも、隣にいる私はただ“横を歩いている”というだけで彼女たちに睨まれてしまうのですよ。
「なんか、お前フラフラしてんな?昨日寝てないの?」
理不尽な嫉妬に涙目になっていると、直人にいきなりそんな事を聞かれる。
途端に心臓がドクンと跳ねた。
「う、うん…中々、眠れなくて…」
直人に大和からの告白を話すべきなのか分からなかった私は、咄嗟にそうはぐらかす。
「…へぇ」
私の返事を聞いた直人は、何故かにやりと口角を上げた。
「告白された位で眠れなくなるなんて…美桜って案外乙女らしい所あるんだな?」