着いたのは5階建てのマンション。
そこそこ新しそう。
アイツは3階に住んでるらしい。
「ここが、あたしの部屋。散らかってるけど…」
「うわ……超ピンクだらけ。お前も女なんだな」
「そうだよっ。か弱いの」
頭を撫でてやれば、ニヤニヤ笑って俺に擦り寄る。
このチビは弱いくせに強がるもんな。
部屋は散らかってるってゆうか、ぬいぐるみが所々に落ちてる。
うさぎ、くま、アザラシ、ねこ、ぞう……
動物園作れんじゃねぇかってほどの動物のぬいぐるみの量。
落ち着かねぇ。
「あー!駆琉くん!リスさん踏まないでー!」
「踏んでねぇよ。俺の足の下に潜って来たんだっつーの」
「え!ほんとに!?」
「嘘に決まってるから……」
アイツもこんなの好きって可愛いとこあるじゃん。
チビはチョコチョコ走り回って、ピンクの箱を取って来た。
「救急箱作っちゃった〜!ケガしても心は楽しく♪」
「無理し過ぎだろ……」
まぁ、前よりは断然表情明るくなったけどな。
お前が無理しないために、俺の連絡先やったのに。