【駆琉side】
「じゃっ!そろそろ行きますか!」
慧の言葉で俺ら4人は溜まり場のソファーから立ち上がった。
「みんなっ、いっ、行かないで下さぁ〜い!ヤダァー!!駆琉ざぁーん!」
「うっせーぞナツ…。おい、爽太。ナツ引き剥がすの手伝え」
「…はい。ほら、ナツ。駆琉さん達遅れるから…」
「爽太!!お前は悲しくないのかぁ〜」
「悲しいけど…。これ、現実だから」
大号泣して俺の腕に抱きつくナツ。
抱きつかれんのは想乃だけで十分だ!
いつもと変わらず冷静な爽太は、ナツを力尽くで引き剥がす。
「それじゃ…行って来て下さい。駆琉さん」
「あぁ。行って来る。ナツのこと頼んだぞー咏斗」
「もちろんです。ガッチリ押さえときます」
もう来ることのない3年間過ごした溜まり場を出て、実感が湧く。
今日は卒業式。
俺らの学生生活もこれで終わり。
3年間早かったなー………。
ほとんど過ごしてない教室に向かった。