連絡寄越せって言ったろ、アホが。


ここまで殴られといて何も言わねぇとか、どんな神経してんだよ……。


「あの……痛いから家帰るねっ」

「親いんの?」

「ううん…。一人暮らしだもん」


一人暮らししてんのか。


無性に不安になってきた。


一人になったら、またあんだけ大泣きしそうだろ。


「俺もお前んち行く」

「…へっ!?学校行きなよ!せっかく来たのに帰るってバカだよ!」

「誰に向かってバカ言ってんだコラ。ブチ犯すぞ」

「ご、ごめんなさい!ほんと!狭い家だけど来て下さい!!」


よし、行ってやろう。



自転車置き場に停まる不釣合いなバイクが4台。


つーことは、翼早と慧と洸は来てんだな。


「後ろ乗れ」

「ヤダ…バイク怖い…」

「今更、女らしいこと言うな。似合わなさ過ぎ」

「ひどいよ〜!もう、乗る!乗っちゃうから!」

「大人しく乗ればいんだよ」


想乃にメット被せて出発。


道聞きながら、想乃の一人暮らし中の家へ向かった。