ボケーっと歓声を上げる女子達を眺めてると、頭に少しの重みが。
見上げると眠そうな顔の駆琉くんが、あたしの頭に手のひらを乗っけてる。
「おはよう。駆琉くんっ」
「はよ……」
声が掠れててちょっとセクシーなんですけど…!
カッコイイ………。
「チビちゃん。アンタすげーな。駆琉を授業に連れ出したぜ」
「どうゆうこと?翼早くん…」
「駆琉が、想乃のこと気になるから授業出るんだと。クラス違うのにな」
ニヤッと笑った翼早くん。
駆琉くんの方を見れば、ぷいっとあたしから顔を逸らした。
「授業出たかったんだよ。お前のためじゃねぇから」
「頭グリグリしないでー……。せっかくアイロンしたのにっ!」
「チビだから変わんねぇよ。背伸ばせ」
「ひっどーい!!」
今日は幸せだ。
駆琉とはクラスが違うけど、慧と一緒にいたから女子からの呼び出しはなかった。
いつもがこんなに平和なら良いのにな〜。