さすがに年末となると、いつも一緒にいるアイツらも忙しい。
翼早は俺とおんなじ感じで麻歌を家に呼んでるだろ?
慧は家柄上正月は忙しいらしい。
家ん中じゃ“若”って呼ばれてるからな…。
洸は母方の京都の実家帰ってるし、咏斗は毎年恒例のハワイ旅行。
つーことで、すっげー暇なんだわ。
リビングのソファーに1人寝っ転がりながらテレビで退屈しのぎ。
–––––––ガチャッ!!
「たっだいま〜」
勢い良く開いたリビングのドア。
帰って来たのは親父だ。
「想乃ちゃん!久しぶりだね〜♪」
「お邪魔してます!お久しぶりです!」
「また可愛くなっちゃって〜。はい!そんな想乃ちゃんにお土産!」
「うわぁ〜……美味しそうなクッキー!ありがとうございます♪」
「こんな娘が欲しかったよ〜」
想乃にデレデレ。
息子がソファー占領してダラダラしてんのに、親父の威厳見せなくて良いの!?
てか、俺より先に想乃の方行ったよな。
「お、駆琉。久しぶり〜」
「久しぶりー」
よし。
俺は部屋にこもります。