りえは言われたとおりに黙り込み、震えだす体を必死に抑える。


お父さん、こんな形で殺されるなんて……ごめんね?


まだまだやりたいこともあったけど……。


あ、それに冷蔵庫に入ってる牛乳、あれ賞味期限近いんだった。


冷凍庫に保存してあるシチューも、できれば早めに食べなきゃいけないのに。


お父さん、腐ってるかどうかも確認せずに食べちゃうから心配だなぁ。


って、私のやり残した事ってお父さんのことばっかりじゃない! 全く、本当に私がいなくなっても大丈夫でしょうねぇ?


「……い! ……おい!」



その声に、りえはハッと我に返る。


「へ……?」


いつの間にか塞がれていた口が自由になっている。