りえは手探りで壁を探り、電気のスイッチを探す。


その瞬間、タバコのにおいが一層きつくなり、りえは動きを止めた。


誰かいる!


そう思ったのが早いかどうか、りえは誰かの手で口を塞がれて資料室の奥へと引きずり込まれていった。


「うぅ~っ!」


とっさのことで、りえは両手足をばたつかせる。タバコの煙が体中にまとわりつく。


「黙れ!」


低い声でそう言われ、りえは小さく息を飲む。


殺される!


間違いなく、りえの口を塞いでいるのは男の手だ。


その力に普通の女子中学生が勝てるハズがない。