りえもつられて笑いながらそう答え、ふと気づく。


「そういえば、今授業中だよね? ソラ……」



どうしてここにいるの? と聞こうとして、「サボった」とすぐに返事が来た。


「待っててくれたの?」


「さぁねぇ? 帰り、ジュースおごってね」


きっと、ソラは二時間ずっとここら辺で待っていてくれたのだ。職員室を出入りする教師から身を隠しながら。


りえはそう気づき、胸の奥が熱くなる思いだった。


二人はそれから無言のまま教室へ向かった。なにせまだ授業中なのだから、足音まで忍ばせてしまう。


「りえ、開けて?」


教室の前まで来て、ソラがりえの後ろに隠れる。