「…里津子さん…どうかしたんですか?」
私は、お茶を出して席に座る。
「…ちょっとね、過去の話に付き合って欲しくて…」
そう言うと、思い出に浸るかの様に話し出す里津子。
〜過去の真実〜
あれは、まだ綺羅が中学生の時。
綺羅の彼氏の雅君とお父さんが死んだ日の事。
死ぬ前、お父さんは私にこう言った。
「…今夜…もしかしたら雅か俺か…どちらか失うかもしれない」
お父さんは、固い顔していた。
「え?どうして?」
私が聞くと次は辛そうな顔していた。
「…くせ者の不良集団と雅達の集会が被ってな…綺羅もいるし、俺は出勤しないといけない。喧嘩しなければいいのだが…」
お父さんは、そう言って家を出た。
この時、私は嫌な予感が過ぎっていた。
嫌な予感は、当たった。
お父さんも雅君も死んだ。