桜が舞って辺りが一面ピンクに染まる頃

私は桜ヶ丘学園に入学した。

中川日菜子 ( ナカガワヒナコ )

今日からずっと夢見てきた華のJKになる。

「日菜、お早う!」

この子は、中学が同じで一番仲が良かった山崎麗奈 ( ヤマサキレイナ ) 。

麗奈と一緒に勉強を頑張って、二人共見事に第一志望のここ 桜ヶ丘学園に入学する事が出来た。

「麗奈、お早う。今日から私達ほんとに高校生になっちゃうんだね。」

「なになに、日菜。宏太くんが居ないから寂しいんでしょ〜?」

麗奈がいつもにましてニヤニヤしながら私に話し掛けてきた。

「別に、そんなんじゃないから。」

私にしては珍しく、凄く素っ気なく返しちゃったなあ。
でも、宏くんの話になるとどうしても素直になれない。

宏くんというのは、山本宏太(ヤマモトコウタ)。中学生の時に私がつきあってた人。そして、今でも大好きな人。

ほんとは宏くんと同じ学校通いたかったなあ、なんて。

「ま、いいや。取り敢えず初日から遅刻っていうのはやばいと思うからそろそろ行きますか !」

麗奈はいつだって元気だ。だけど、この時は私に気を使ってくれているような気がした。