それからしばらく格闘してようやく、プリンターは何とか再起動の音を立て始めた。


それでも印刷しようとすればまた紙詰まりを起こしてしまいそうな気がして、わたしは印刷しようとしていた書類を諦め、デスクに戻ることにする。


まぁ、急ぎの書類でもないし。

データはもう仕上げたから、印刷は来週でもいいや。


「直してくれてありがとね。プリンター占領しちゃっててゴメン」


デスクに戻る前にそう言って暁くんに笑うと、暁くんは「え」と不思議そうな顔をした。


「いいよ、印刷してけよ。花南(かな)さん、まだ途中だったよな?」

「うーん、来週でもいいやつだから、今日は止めとく。また詰まったら面倒だもん」

「そっか。じゃあ俺も業者の点検終わってからにするかな」

「そう思ってる人、多そうだけどねー」