トンッ
「ッッ?!」
「元気ないね、どうした?」
そういって私に隣に座った栗色ボブの髪の毛が似合うアイドル並の顔をしているのは私と同じ警視庁捜査一課の同期である石川桜子。
「…なんもないよ」
「うーそ、顔に書いてる」
「…ハハッ。桜子にはかなわないや」
「当たり前でしょ!!」
桜子とは幼稚園からの幼なじみで、お兄ちゃんの事件のことを全部知ってる唯一の人。
私が刑事になるって決めた時も桜子も一緒になるって言ってくれた。
桜子の親にも色々とお世話になったものだ。
「幸助くんの事件?」
「うん」
「刑事副部長でしょ?副部長に早く訴えないとね!!」
「うん…」
もちろん、いくら桜子だからって復讐なんてことは一度も言ったことがない。
言ったら止められるに決まってるから
「そういえばさ、司先輩と麗華先輩が事件だって騒いでたよ」
「事件?なんの?」
「それがさ、、殺しなのよ!!」
「…当たり前でしょ、ここは捜査一課。誰が殺されたのよ」
「あ、うん!えーと…だれだったけな…」
「…」
「刑事」
「え?あ!そうそう!刑事なの!!しかも捜査一課の!!!って…将生?!」
「よっ。お前ら会議に出席しろって兄貴が言ってたからさ」
「うっそ!もう始まってる?!」
「桜子、いくよ」
「将生、ありがとう!!」
「おう、ほらいくぞ」
まさか、ここで会うとは思ってなかった。
そして、この事件がお兄ちゃんの事件と関係してるだなんて…