to.梓


この手紙を読んでいるということは

俺はもうこの世にいないだろうな。

お前にこの手紙を送った理由はただ一つ。

お前を守りたいからだ。

いいか?

この手紙を最後まで読んだら必ず燃やせ。

そして遠くへ逃げるんだ。

なんで俺が死ぬのか、
それはこれから書く。



俺は刑事として警察内部での隠蔽が許せなかった。

だから、隠蔽された事件について詳しく調べていた。証拠を見つけて上に訴えるという思いでね。

だけど、仲間が次々と殺されていった。

残ってるのは俺と、同期の田口だけだ。

田口はまだバレていないから殺されないだろう。けど、俺はバレてしまった。


梓、このままだとお前も危険なんだ。

父さんや母さんを亡くしたお前には俺しかいなかったけど、ごめんな。

でも、
それでもしなければならないんだ。


お前はもう長岡梓じゃない。

長谷川梓になるんだ。

長岡の名前は捨てろ。

今までのことを全て忘れて、幸せになってくれ。

兄として、最後までお前といたかった。
ごめん。

俺の分まで生きてください。

梓、
ありがとう。


from.幸助