「晴…」



「…」


晴は私の横で寝ていた







晴の寝顔はあの悪魔の子供には全然見えなかった










「晴…ごめんね。私あなたの大切なものを奪おうとしてる。ごめんね…」




それでもスヤスヤ眠っている晴に私は安心したんだとおもう








♪~♪~







「ん……んんん…はい……えっ?!ホントですか?!すぐ行きます!!」


「…どうしたの?」


「…新たな殺人だ。いくぞ、梓」


「う、うん」



新たな殺人…




「…聞き込みの途中だったのにな!!」


そういって、はにかむ晴

そうだね…

一体何人殺せばいいのだろうか


決定的な証拠を手に入れないと。























「おそいぞ!!」


「すいません」


「まあ、仕方ないか。んで、被害者は室田哲也42歳。やっぱり警視庁の刑事だ」


司さんが言ってる間、田口警部の顔が真っ青になっていた


「…田口警部?」


「え!?あ、ああ。梓か…どうした??」


「笑顔…ひきつっています」


「あれ??ハハッ、そっか…」


「何かあったんですか??」


「…お前はいいのか…いや、お前も狙われるかもしれない。」


「え…??」


「室田にこの前言ったんだ。幸助たちの事。そしたらこのざまだ…口封じだよ、多分。」


「そんな…」


「だから、お前も危ない。一人でいるんじゃねえぞ…?」


「…はい」


「俺も捜査しないとな。…よし、いくぞ」


「あっ、警部ッッ!!」


「…ん?」


「あ、の…警部も…気をつけてください」


「…ありがと」


田口警部は私に向かって優しい笑顔を送った

天使のような…だからこそ田口警部も女性捜査官たちから人気がそこそこあるのかもしれない












「梓!!」


「将生??どうしたの」


「兄貴がお前の事心配してたから…」


「…プッ!!」


「な、んだよ!!!!」


「桜子のとこ行かなくていいの?好きなんでしょ?桜子こそ心配しないと!!」


「あ、あいつは…」


「はずかしいの?…ったく、しょうがないな~」


「いや、べつにそんなんじゃ…」


「さーくらこー!!!将生が一緒行きたいとこあるってー!!行ってあげて!」


「えー??将生がー??しかたない!いくよー」


「おい!梓!!お前~」


「フフッ、行ってらっしゃい!」



将生は桜子のことが大好きすぎる。

昔っから好きって言ってたし



「梓」


「晴…何?」


「室田刑事のポケットにこんな紙が…」


「え?」







そこにはこんなことが書いてあった




___________________
片岡健人→○○工場 ✓
───────────────────
長岡幸助→○○公園 ✓
───────────────────
仲道千鶴→××食堂 ✓
───────────────────
眞鍋美里→○○学校 ✓
───────────────────
室田哲也→××学校
───────────────────
田口大和→××工場
───────────────────

───────────────────

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だった。




まさか…





まさか!!






「これって…」



「まちがいなく、遺体が発見された場所だ」


「田口警部…これ…」


恐ろしかった
これ以上先を言ったら…


「俺の名前だ」


「そんな…」


「やっぱり、俺狙われてたか。」


「なんで…?!」


「内通者がいたんだよ…多分な」


「内通者…?」


「この紙を見つけたことを誰にも言わないでくれ。そして…」


「…??」


「この紙はお前に持っててもらいたい」


「…え」


「危険だけど、この紙をやつらはとりにうるはずなんだ。これこそ決定的な証拠だろ??…あとは梓…お前にたくした」


「ちょ、ちょっと待ってください!!警部、死ぬつもりですか?!」


「…んなわけねえだろ。俺しかいねえんだよ、これ以上事件の真相をしっかりと知っている人間は」


「…」


「だーいじょうぶ!!!俺は無敵だぞ??」


「警部…絶対死なないで下さい」


「…あたりまえだ」


「…」


田口警部がもしいなくなったらそれこそこの事件は永遠に迷宮入りだ。


このメモを、しっかりと守らないといけない





お兄ちゃん…私がんばるから