「聞き込みってのは、大切な作業だ。絶対サボるなよ!!」






司さんの掛け声でみんな手分けして聞き込みに行った


二人組で行動するらしく、私は桜子と一緒だった




はずだったが…




「お腹すいたー」




…なぜか、晴と一緒になってしまった。

これも全て田口警部のせい

さぼりそうな晴を私と組むことでサボらなくさせる作戦だとか…


田口警部だって、刑事副部長の息子がこの男だってことを知ってるはずなのに






「なあ、あそこで食べてかない??」


「聞き込みの途中」


「んなもん、腹ごしらえしてからだろ?」


「じゃあ食べとけば??」


「お前な…食べないと倒れるぞ?」


「あんたじゃないから大丈夫」


「…」


やっと黙った


と思ったのも一瞬

晴は私の手をいきなり握ってきた



「ちょっ!!?なにすんの!!」


「お前が食べないなら俺が食べさせる」


「言ってることわかんないんだけど」


「じゃあ、黙ってついてこい」


何よ…

いきなり男の顔になった晴におどろきつつも繋がれてる手を見つめた




ゴツゴツとした大きく男らしい手が私の手を包んでる



初めてだった


男の人と手を繋ぐこと。


ましてや、二人で歩くなんて…

たとえそれが仕事だからだとしても私にはお兄ちゃんが亡くなってからというもの、一人で家に閉じこもり、ひたすら警視庁に向けて勉強していたから、男という生き物を良く知らない。




…晴は私と違って裕福な暮らしをしてたんだろう。

そして、きちんとしつけされていたんだろう。


馬鹿だけど、しっかりするところはしっかりしている。

悔しいけど






「お!!ここうまそーッッ」


「あ、うん。そうだね」


「ここ、入ろう」


「うん」