そう思うと途端に、大登さんのことをもっと知りたいと興味が湧いてきた。

六歳も年上の大人の男性だとばかり思っていたのに、子供っぽいところもあるなんて。ちょっと乙女ゲームの攻略キャラにいそうなタイプ。

現実世界の大登さんと二次元の攻略キャラを比べるなんて、かなり申し訳ない話だけど。リアルに彼女なんてしたことのない私が恋愛をするんだから、そのあたりは許してもらいたい。

入り口はどうであれ、大登さんに興味が湧いてきたことは一歩前進。私の未来は明るいものになりそう?

いきなり付き合うことになって彼女なんて言われても、実際の話し何をすればいいのかわからない。まだ迷いや戸惑いもあるけれど、それでも大登さんのそばにいればこんな私でも何かが変わるかもしれない。

「どうした?」

いつの間にか大登さんのことをジッと見つめてしまっていた。それに気づいた大登さんが、私の顔を覗き込むように顔を寄せる。

「大登さん」

「ん?」

「ホントに私が彼女でいいんですか? きっと私、彼女らしいこと何も出来ないと思うんです。大登さん、それでもいいんですか?」

今の私の中にある気持ちを、正直に伝えてみる。

すると私の声にピクッと眉を動かした大登さんが、腕を伸ばして私の頬に触れた。

「ムリして彼女になろうなんて思わなくていい。そのままのおまえが好きなんだからな。大船に乗ったつもりで、俺のそばにいろ」

大登さんの男らしい声に、彼から目が離せない。触れられている頬が熱くて、そこから身体が溶けてしまいそうだ。