『やばいやばい…』焦りなから急いで服を脱ぐ。

杉下さん…はアルバイトのリーダー。
他の女子大に通う四回生で、就活をしながらバイトを続けている。


『はぁ…』

私は制服のブラウスに袖を通しながら、小さくため息をつく。

新人研修は、アルバイトリーダーである杉下さんがしてくれるけど、私は杉下さんが苦手。

と、いうか、怖い。


新人研修が始まって、もうすぐ一ヶ月になるのに、私は杉下さんにまだ一回も誉めてもらったことも、笑いかけてもらったことすらない。


私が仕事を覚えるのも遅く、へまばっかりしてるからだ。


こないだなんて、声が小さい、と叱られ、私だけスタッフルームで一時間もひたすら、
『いらっしゃいませ』
を言わされた。