あつさり切れてしまった
お前との絆
心にポカンと穴があいて
楽しい時間が終わった
淋しい…
お前との時間は楽しくて
元気をもらえる
大事な時間だった
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愛里が出て行った
仕事が早く終わったから、急いで家に帰った
愛里と付き合っていた男がいた
2人で一緒に暮らす…?
いいことなんだけど
喜べない気持ち
前の生活に戻るだけなのに
淋しい
詩音の心に影を落とす
目が覚めると
キミがいない
全て夢だった…のか?
不安になる
俺を呼ぶ声に安心した
もっと呼んで
キミに呼ばれると安心する
約束してくれ
もう離れない…と
ずっと俺だけを見ている…と
一番特別な存在…だって
もう俺を1人にしない…と
今から教えてやる
俺をこんなに不安にさせて
覚悟しろよ
お前は俺のもんなんだよ
もう離さないから
お前の気持ちが
俺だけに向くように
大事にするよ
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朝目覚めると、隣で寝ていたはずの愛里がいなかった
どこを探してもいない
夢だった…のか?不安になる
ドアがあいて、愛里が帰ってきた
「ハルくん…どうしたの?」
「どこか行ってたの?…」
「何にもなかったから、コンビニに行ってきたんだけど」
家でご飯なんて食べてなかったから…
「買い物行くなら、起こしてくれたらよかったのに」
不安になるから、おいていかないで…
「ちょっとだけだし_」
「牛乳も買ってる、重かっただろ」
「これくらい大丈夫だよ」
「赤ちゃんだっているんだから、ダメでしょ_
と言いながらも、愛里と離れたくないだけなんだけど
「今からご飯の支度するから、待っててね」
「手伝うよ」ニコッと
離れたくないだけなんだけど…ね
「いいの?ありがとう」微笑んだ
かわいい
これから、2人の生活が始まるんだ
夢じゃないんだ
幻じゃないんだ…って確認するように、ギュッと抱きしめた
今日は、土曜日だから、ずっと2人でいられる
愛里とずっと一緒にいられるなんて、幸せだよ
「愛里、今日の予定は?」
「ハルくんのおうちに昨日行けなかったから、2人で行かない?」
「連絡してみるよ」
2人で行くと、2人とも、喜んでくれた
これが家族団欒…
そう思えるような、優しい時間が流れる
何よりも大切なものは
たったひとつ
もう何も気にならない
みっともなくっても
恥ずかしくても
どんなものでも
もっともっと全力で
真っ正面からぶつかって
勇気を出して飛び込む
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みっともなくっても、情けなくっても、赤ちゃんのためなら、何でもできる
愛里の周りには、優しい人ばっかり…
春人との生活が始まるんだ
諦めていたのに、これも全部お兄ちゃんのおかげだなー
私の気持ちはともかく
私なんて…やっぱり…
どこか…
こんなことずっと続かないって
思っていた
最初から無かったことにして
あきらめよう
こうなる予感はあった
だから…もう…
ここにはいられない
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ここにいてもいいの?
ずっと、不安だった
迷惑なんじゃないか
ハルくん、優しいから…
1人で買い物に出かけた
春人の大学の人かな
見たことある人に出会った?
「ねー、ハルとまだ付き合ってるの?」
「はい、つき合っています」
「最近、ハル毎日忙しそうなんだけど…」
私のせい?
ママと待ち合わせの喫茶店
さっきの人の言葉が頭から離れない
ママに相談してみた
「そうね…大学に行って、そのあとは、お父さんの会社の仕事して、愛里との時間を作って…無理してるのかもしれないわね」
やっぱり、迷惑かけていたんだ…
「ママ、また家に戻ってもいい?」
「愛里の家なんだから、いつでも戻っていいのよ。部屋も前のままだから……でも、ハルくんは?」
「迷惑かけたくないから」
もうハルくんのところにはいられない
迷惑かけてるなら、そばにいないほうがいい
楽しい時間はもう終わったんだね
俺に会わないのは…
俺に愛情がもうない…だけ?
俺はもう用済みだった…?
ばかみたい…だ
初めからわかっていたんだから
もうダメ…だ
俺の未来日記…
崩れていく
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俺がダメなまんまだから?出て行ってしまったの?
愛里が家を出ていってから、何も手につかない
毎週日曜日は、母親と出かけていたから、夜にはかえってくると思っていたのに
ベッドに入って、隣の温もりが消えて、心も冷える
俺があきらめないから、そばにいられただけ…
俺のこなんて、好きじゃな…
ただ情けなくって…
お前にとつて、どうでもいい存在だった?
俺の想いを少しずつ打ち砕かれていく
抗うことのできない
チリチリと焼けるような熱情
ゾクゾクするほどの独占欲
どうしたらいい?
はやく
お前と離れてしまうのは
こんなにもつらい
本当はずっと…
素直になりたかったのに
わがままは言わないから
いつでもいてほしい
やっと会えたのに
一緒にいられなくなって
心にポッカリ
穴があいたようだった
俺の全てが
お前を求めている
欲しいものなんかない
お前がいてくれたら
それだけでいい
夢じゃない?
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愛里がいなくなってから、心にポッカリ穴があいたように、寂しさを感じていた詩音
もうすぐクリスマス
毎年、仕事で過ぎていく
今年は、愛里がいるから、無理言って、休みにしたのに、愛里がいなくなってしまった
柄にもなく、プレゼントも買ったのに…
仕事が終わって、1人でいると寂しさがこみあげてくる
バイクに乗って、出かけた
信号待ちをしていると、衝撃があった
気がついた時には、病室だった
体中が痛かった
ぼーっとしていたら、愛里の顔
愛里「しーちゃん…気がついた?」
詩音「…うん」
寝ている間、ずっと…夢見ていた
愛里がいなくなってしまって、ずっと探していた
優しくて、温かい手をつかんだ
あれはなんだったんだろう…
バイクで事故にあった
全身痛かったけど、一番ひどいのは…足だった
複雑骨折…しばらく入院…
それなのに、愛里に会えたことがうれしかったんだ…
愛里「何か欲しいものあったら、言ってね。明日持ってくるから」
詩音「明日もくるの?」
愛里「うん、でも迷惑ならこないよ」
詩音「全然迷惑じゃないけど…」
愛里「毎日くるよ」ニコッと…
いつもの笑顔だった
やっぱりかわいい
ドキドキして、フワフワする
でも、なんだか切なくなる
この気持ちをどうにか隠して、
「また明日…」
やだ…もー
なんで…
こんなに
涙がこぼれるの?
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家にいたら、電話がなる
しーちゃんがバイクにのっていて、事故にあった…って
パパは海外ロケでいないって…
ママに連絡して、病院にいく
足を骨折して、手術したって
麻酔で、寝ている
手をギュッとずっと、にぎっていた
どれだけにぎっていたのか…わからない
ギュッと握り返してきた
詩音が気がついた
よかった…
涙が止まらない
詩音の夢見ていた
手の温もり…は、愛里だった
くすぐったいくらいまぶしい生活
お前がいるだけで
全てが輝いて見える
甘えっぱなしで
心配かけてばっかり
お前を守ってやらないと
そう思っていたのに
お前って強いな
強くて優しい
ずっと一緒にいたい
叶わないとわかっていても
願ってしまう
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今日は、クリスマスイブ
本当は、彼といたいんだろう…な
わかっていても、言えなかった
愛里が一緒にいてくれることがうれしかった
こんな状態だから、パーティーなんてできないけど…
愛里がクリスマスプレゼントをくれたんだ
今までもらったプレゼントの中で一番うれしかった、暖かそうなマフラー
俺のことを思いながら選んでくれたのかな
愛里にあげようと買ってあったプレゼント
家の机の中
帰ってから見てと、愛里に言った
愛里からメールがきた
「ありがとう、素敵な時計だけど、高かったんじゃない?」
高かった…けど、値段なんか…
「似合うと思うから、買っただけだよ」
「毎日つけるね」
喜んでくれた。よかった
毎日つけてくれるんだ…
愛里の言葉は優しい
毎日一緒にいたい
離れているうちに
目覚めてしまったら
どうしよう
キミとオレの
「好き」の大きさの違いに
ずっとそばにいてよ
会いたいよ
キミが心変わりしたらどうしよう
好きなのに不安になる
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お父さんと暮らしているお兄さんがいるのは、知っていた
交通事故で入院したから、東京の病院に行ってしまった
しょうがない…って思いながらも、寂しさを隠せない
今日は、クリスマスイブ
2人でいられると思っていたのに、帰れない…
なんで?俺とお兄さん…どっちが大事なんだよ
聞きたかったけど、聞けなかった
お兄さんって言われたら、もう立ち直れない
早く戻ってきて
俺を1人にしないで
不安でたまらない
1人でクリスマスイブを過ごす春人