なんでアイツなんだよ
お前に辛い思いさせたのに
あんな男なんてやめろよ
オレにしろよ
オレならそんな思いさせないから
寂しい時間なんて作らないから
オレにはお前だけだから
お前への気持ちは本気だから
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愛里が新しくバイトを始めたと知った輝
行ってみたら、バイトの終わりの時間に…
愛里の元彼がいた
仲良く帰っていく2人を、ただ…影から見ていた
なんでだよ…あんなやつ
離れていても
心はずっとつながってるって思える
大好きだよ
今は2人一緒にいられれば
それだけで幸せ
キミは…
俺にとって誰よりも一番大切
少しずつ降り積もる思い
心がワクワクする
愛してるこれから何があっても
これからは守り続ける
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今日もバイトに行く愛里
また何かあったら困るし、守りたい
バイトの終わる時間に迎えにいった
驚いていたけど、喜んでくれた
煌めく笑顔
愛里のこと本気で好きだ
この間まで死にそうな気分だったのに、愛里の笑顔で幸せになれる
俺って、思っていた以上に好きだったんだな…
キミが愛しくて
放っておけなくて
キミを俺だけのものにしたくて
ただ…純粋な気持ちで
俺だけのものにする
いつでも俺を思い出せ
思い出して切なくなるくらい
キミに俺を刻み込む
もう二度とキミを失いたくないから…
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隣で眠る愛里
目を覚ます横顔を見ながら
さくらんぼ色の唇に
唇を重ねる
ふれあうって
こんなにも気持ちいいんだ
もう…離さないよ
体温を感じていると安心する
あったかい何かで心が満たされていく
甘い感触が残っている
ずっとこの感触に浸っていられたらいいのに
つい望んでしまう
誰かと繋がるって
こんなにも満たされる
全てあなたが教えてくれた
なんだろ…
あなたへの気持ちが膨らんでいく
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目を覚ますと…
隣に、ハルがいた
重なる唇
夢の続きを…もう一度…
どんなことがあっても
もう気にしないことにした
もう、失いたくないから
だから…たくさん愛して…
私なんかとじゃ
不釣り合いだって
わかってるけど
私を選んでくれたんだから
周りの目なんて
気にしない
胸を張って
隣にいられるようにしないと…
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地味で釣り合わないって、わかってるけど
隣にいられるようにしないと
今日は駅で待ち合わせしてるから
少しでも釣り合うように
久しぶりに隣のクラスの美佳に会いに行く
春人とつきあってること、放課後会うから、メイクを教えてほしい…って
放課後…春人と会う前に駅のトイレで美佳にメイクしてもらった
でも、地味なのは変わらない…か…
愛里「美佳ありがとう」
美佳「メイクだけじゃなくて、髪型も変えれば…?」
三つ編みをほどいて…はぁ…くせっ毛全開
眼鏡もとって
愛里「あ…もう時間だから行くね、またねー」
待ち合わせの場所に急ぐ
パタパタ
もう春人はきていた
「ハルくん…お待たせ」
精一杯の笑顔で…
パタパタと小走りで
キミがくる
かわいい…
いや…かわいすぎ
周りの男が見てる
無意識に無防備に
笑顔を見せる
周りの男が赤い顔してる
ホントに…無自覚だから怖い
少しは自覚してくれよ…
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待ち合わせの時間になっても愛里がこない
ちょっと不安になっていると
なんで…?三つ編みじゃないんだ
かわいすぎ…
周りの男が見てる
…見てんじゃねぇ
とびっきりの笑顔で
「ハルくん、お待たせ」
周りの男が赤くなってる
春人「なんで三つ編みじゃないんだ?」
愛里「少しでも釣り合うように…頑張ってみたんだけど、変かな?」
春人「変じゃないけど、二度と俺以外の男に見せちゃだめだよ」
そんな姿見せて、無防備に誘ったりするな…
愛里「変だったか…次はもっと頑張って…」
と言う…愛里の言葉を止めて
春人「頑張らなくていいから…いつもの三つ編みにして」
愛里「…わ、わかったよ。何したって地味なのは変わらないって分かってるから…」
な…ホント…自覚してよ
春人「約束破ったら…お仕置きだよ…」
黒い笑みを浮かべ
春人「忘れないで…ね」
愛里「わ…わかったってば…」
世界が輝いて見えた
毎日が生き生きして
キラキラ煌めく
少しずつ愛が深まって
気づかなかったことが見えてくる
このまま…
あなたと一緒にいていいの?
愛されてると思って
甘えていた
何をどうしたって
埋まらない壁
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春人の大学の友達のbirthdayparty
東京のホテルでやるんだって
誘われて、春人と一緒に行く
愛里が友達の誕生日のお祝いをするのとは、全然違う…場違いを痛感する
立食partyだったので、ハルが料理を取りに行ってくれた…優しい
ハルの大学の友達…かな?
友達「ハルとつきあってるの?」
愛里「あ…はい」
友達「ふーん、釣り合うと思ってるの?ハルのお父さんは会社経営してるけど、あなたのお父さんは何をしてるの?」
愛里「父は…いません」
友達「あら、ごめんなさい。お母さんは?」
愛里「音楽教室を…」
友達「それで釣り合うと…おもってるの?」
何も言えない…
春人が戻ってきた
持ってきた料理を一緒に食べたけど
早く帰りたかった
色んな友達と話してる春人
そっと…抜け出す愛里
ふー…ため息がこぼれ
春人の携帯に「先に帰るね」と、メールをして
1人で帰る愛里
2人の間に見えない壁を感じて
キラキラ煌めいていた世界が
くすんで見えた
なん…で…
キミがいなければ
全てが色褪せていく
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大学の友人のbirthdayparty
愛里も一緒に連れて行った
かわいい愛里をみんなに見せたかった
でも、男の視線が…
愛里に近づかないように、色んな男と話して
気づいたら、愛里がいなくなっていた
最初はトイレだと思っていた
なかなか戻ってこない…不安になっていた
鞄の中で光ってる携帯に気づいた
「先に帰るね」
もうだいぶ時間が過ぎている
部屋から出て
電話をかけてみた
電源入ってないのか…繋がらない
まだ…大学のヤツに言われた言葉で…離れ始めてることに気づいてはいなかった
この時、愛里のそばを離れたことを後悔する日は…
どーせ…無理だよ
諦めていた
でも、信じていた
ホントの俺に気づいてくれる子を
誰にも…
ずっと気づかれなかったから
嬉しかった
自然と笑顔がこぼれる
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友達と出かけた帰り道
駅で友達と別れ
前からめちゃくちゃかわいい子が歩いてきた
俺に気づいて…こっちにくる
…いやいや…こんな子知らない…
満面の笑顔で…
「久しぶり…輝くん」
あぁ…またか…
輝は…双子の兄だ…
輝のフリしてやるか…
と思ってたら…
その子が…ハッとして顔が赤くなっていく
「ごめんなさい。人違いでした…似てたから間違えてしまいました」
「えっ…」
「全然違うのに…ごめんなさい。」
そのまま歩いていってしまった
歩いて行く子をボーゼンと見送った
家に帰ってからも、ずっと頭から離れなかった
こんなこと初めてだった
俺達を見分けられるなんて
子供の頃から…誰にも分からなかった
付き合った子でさえ…入れ代わったら気づかなかった
長い間付き合ったのに…気づかなかった
絶対大丈夫…信じてた
こっぱみじんに…崩れ去った
それから…
俺も輝も…色んな女と付き合った
でも、わかってくれる子なんて…1人もいなかったんだ…
外面しか見てはいなかったんだ
内面を見ていなかったんだ
誰にも気づかれるわけなかったんだ
誰も本当の俺を見てくれないんだ…
諦めていた
輝の知り合いだけど、分かってくれる子がいた
深く負った心の傷が癒されていく
もう一度会いたい…
そして、もう一度…試してみたかった
龍は…