奇跡みたいに
出会えただけでも
感謝しないと

あの日…から忘れられなかった
絶対…あの時の子だ…
白昼夢を見ていると思った

勇気がなくて何もできなかった
俺の初恋…
ぼんやりしている間に
あの子は他のヤツのものになってた

それでも忘れることのできなかった
思い出の中の子

近づきたい…もっと…もっと…近くに…

運命を信じる
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大学から家に帰ると、庭に誰かがいた…
女の子が泣いているところを見て、心臓が止まるかと思った。絶対あの時の子だ…

子供の頃、母親に連れられて行った日本で会った子だ…一度しか会ったことがなかったけど、忘れられなかった子

白昼夢を見ているのかも…幻かも…
近づき、髪をなで、「泣かないで…」と囁いた
なんで…ますます泣いている…

母親が家から出てきた
「アッシュ…愛里を泣かせたの…」
「ち…違います…泣いてる私に、優しくしてくれて…」
「そう…また泣いてたのね…」アッシュと同じように髪を撫でる…
「愛里、お茶にしましょう…先に家に入ってて…」

あの子がいなくなってから、泣いていた理由を聞いた…そして、気分転換にしばらくうちの離れの客室に住む…!?

もしも、もう一度逢えたら、その時は運命だって思ってた。運命を信じることにする

本当に何やってんだろ…私…

自分から離れたのに
未練タラタラで
こんなんじゃダメだね

諦めるから…
しっかりするから…
今だけ…泣かせて
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朝、起きて…いろんなことを思い出して、また涙が…

部屋を訪ねてきたアッシュに、また泣いている姿を見られちゃった…

「また泣いているんだね…」
ダメって、わかってるのに、アッシュの胸を借りて、泣いた

優しいんだね。そーいうところ変わってないね
あの日も、お兄ちゃんと喧嘩して、泣いているのを慰めてくれた

今だけ泣かせて

涙をためて
健気で頼りなさげで
でも…かわいい

守ってあげたいって思った

キミの言葉はを心に刻んだ
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いつもよりも早起きして、愛里の部屋を訪れた
また泣いている…守ってあげたいって思った

そして、「あの日も泣いていたよね…」
「覚えてたの…恥ずかしい…」
「フランス語話せるようになったんだね」
「あの時話せなかったから、次にきたら話したかったから…覚えたのに…」
「…え…俺…?」
「うん…でも、今話せてるから覚えてよかったよ」と、やっと笑ってくれた
まるで太陽のように眩しい笑顔…
愛里の言葉を心に刻んだ

か…かわいい…

今まで出逢った女の子には感じたことのない感情…

もう恋人じゃない…けど
俺は今もキミが好き

きっと…また会える

俺は…まだ…未練がある
すごい虚しい
何やってんだろ…俺

俺は…キミのこと好きなのに
他のヤツのところにいかないで

今…本当に終わったんだ
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さよならなんて、信じたくない。仕事も手につかない。また会いたい…前みたいに笑いあいたい…こんなこと考えてる俺って、うざい…?けど、どうしても考えちゃうんだ

街をぶらついていると、愛里がいた。奇跡…と思ってたのに、男と一緒に歩いていた…仲良さそうに…

アイツのせいなのか…睨みつけた
きっと…気づいた…
見せつけるように、手をつないで歩いて行った

もしかしたら、冗談だよ…って、俺の隣に戻ってくるんじゃないか…って…あきらめられなかった。だけど、今、本当に終わったんだ

悲しまないで
俺が絶対守ってあげる

キミが傷つくのを見たくない
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まだ元気がない、無理に笑ってる…愛里

家から強引に連れ出す
街をぶらつく…急に愛里が立ち止まった…視線の先に、男がいた…愛里が泣きそうな顔…アレが例の男か…

あの男に見せつけるように、手をつないで歩いて…見えなくなったところで手を離した

やっぱり、少しでも愛里のために何かしたい…
喜んでもらえる…ように…

まっすぐに見つめられて、鼓動がどんどん早くなる。瞳から、涙がこぼれる…泣かないで…もうくだらないことしないから…

「勝手なことしてごめん」
「ううん…ありがとう…アッシュがいなかったら、あそこで泣いてた…」


あなたがいてくれてよかった

強引だけど
私のこと考えてくれてるんだね
すごくさりげなく優しい

もう後悔なんてしたくないから…
もう未練なんてない

人生は一度きりだか楽しもう
あなたの優しさに涙がこぼれる
でも…もう泣かないよ

終わってしまった過去を嘆いても
何も変わらない

いいことも…悪いことも
いろんなことが起きた
沢山の出会いと別れを経験した

沢山の人との絆や思い出
全部が真実なんだ

こんなところで立ち止まってられない
未来にむかって一歩踏み出した
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二度と会いたくなかったのに…出会ってしまった…泣きそうになったのを気づいたアッシュが手をとって、歩き始めた

アッシュがいなかったら、あそこで泣いてた…
一緒にいてくれてありがとう

終わってしまった過去を嘆いても、何も変わらない。アッシュの優しさに涙がこぼれ落ちた

こんなところで止まってられない。未来にむかって、踏み出した。



恋をなくした
それでも…
つらいことも…
過去も…
全て忘れて
未来に進む

どこにいても…
私は私
私…きっと…大丈夫…

私…バカ…だ
傷つくのが怖くて
ずっと…現実から逃げてきた
もう逃げないよ
全てを受け止めて
もう一度やり直そう

さよならは言わないよ…
またね…

そして…
新たな生活が始まる
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アッシュの優しさに、もう一度やり直そうと、決心した愛里

日本に帰る決心をした

日本でうまくいかないからって、フランスにきたけど、結局は何も変わらなかった。全部が中途半端で…

最後の料理を作って、みんなに日本に帰ることを伝える

夕方の飛行機にのって、日本へ帰る愛里

飛行機の窓からみえる景色
「またね」

彼女を守ってあげる
そう…思っていたのに

彼女は強くて
自分で決めた道を
1人で歩いていく

彼女といられるだけで幸せだった
だけど…
俺は必要とされてなかったんだ

…熱くて…痛くて…切なくて
そして…どうしようもなく甘い
…この気持ちは…
きっと…恋…
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また愛里とどこかへ出かけたいな
そんなことを思いながら、家に帰るアッシュ

愛里は…いなかった…
日本に帰ってしまっていた

ボーゼンと立ちすくみながら、はっきりと悟った。俺、愛里に恋してしまったんだ…って

何度も歩いた道
変わらない風景
懐かしさを感じる

やっと…
現実に向き合うことができるようになった

過去の悲しみを
全部忘れたわけじゃないけれど
少しだけ強くなった自分を感じた

悲しみに振り回されず
自分の幸せを築いていこう
大切な家族がいるのだから

「ただいま」
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ちょっとだけ、誰の手も届かない所へ行ってみたいと思ってフランスに行ったけど、結局は何も変わらなかった

懐かしの我が家への帰り道

ちょっとしたことで悩んだけど、失恋した現実を受け止めて、1人じゃ生きてはいけないって
わかった。だから、大切な家族のところに帰ってきた

「ただいま」