消えていく
あなたと私の幸せだった日々
そばにいてくれてありがとう
たとえ
その人生の中に
私がいなかったとしても
幸せになってほしいから
これからのことを考える
立ち止まったら
そこから動けなくなるから
こんなところで立ち止まってらんない
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あの家で過ごした幸せだった日々
心が折れて、戻りたい…気持ちもあるけど
戻ったって何も変わりはしない
アランのこれからの人生の中に私がいなかったとしても、幸せになってほしいから、後戻りはしない
私、この先どうしたらいいの?もう、日本に帰るしかないの?フランスにきてからの日々が全て無駄になってしまうのだろうか?
心がズキズキと激しく痛む
…今、日本に帰ったら、もう二度とフランスで働くなんてことはできなくなる。もうここであきらめるしかないの?
勇気を出してフランスまできたのに…
ううん、こんなところで立ち止まってらんない
やっと見つけた
もう離さないよ
彼女の手を掴む
彼女の手を手のひらで包み込む
彼女の体温を感じ
なぜか少しドキリとする
彼女は恥ずかしげに頬を染める
キミの中の俺は…もう過去になった?
何も伝えないまま…
もう迷惑に思われてもいい
でも…
このまま伝えずに後悔するなんてヤダ
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きっと、どこかのホテルにいると思い、ホテルに連絡しまくった。やっと見つけた…
出かけていたので、帰ってくるのを待った。
夕方帰ってきた愛里
愛里の手を掴む。
「愛里、探したよ。勝手に出て行くなよ」
「でも…もう一緒にいられないよ」
「あれは親が勝手に決めた婚約者だ。」
「でも…」
「婚約は解消してきたし、会社もやめて、家も出てきた。俺にはもう何もない。それでも、一緒にいてくれる?」
「私で…いいの?」
「愛里が必要なんだ。他には何もいらない。愛里の本当の気持ち、ちゃんと教えて」
「こんな私でも、一緒にいていいですか?」
「これからもずーっと一緒にいよう」
まっすぐに見つめられて、鼓動がどんどん速くなる。俺は愛里の瞳を見つめ返しながら思う
もう二度と離さない。愛里の腰を強く引き寄せて、愛里の身体を抱きしめる。リアルに感じてしまう。愛里の身体の感触、ふわりとくすぐってくるシャンプーの香り。あぁ…これは現実なんだ
身体の奥深くから湧き上がってくる愛おしさ
愛里がいてくれる…腕にほんのりと残る匂いと体温…幸せを生まれて初めて知ったんだ
小さなアパートで、2人だけの生活が始まる
何もうまくいかなくて
泣きそうになる日々
あの時のように
また…あなたが…
救い出してくれた
これからも傷ついたり
色々するんだろうけど
あなたを信じて歩いていこう
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仕事も家も決まらず、泣きそうになりながらホテルに帰ってきた愛里
アランがいてびっくりした。アランの手が私の手を握りしめた。心臓がいきなり跳ね上がった
まるでヒーローのように、またアランが助けてくれた。
私達は、2人でゆっくりと歩き出す
「アラン、、今…幸せ?」
「世界中の誰よりも幸せだよ」
強く抱きしめられて、心臓が破裂してしまいそう。
ようやく叶った日常
平穏な日々
2人とも相変わらずで
穏やかな日々は変わることはなかった
これからはキミと
ずっと…
キミと2人で
キミの手を離さない
ずっと…ずーっと…
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愛里と一緒に過ごす日々
今までに感じたことがない安らぎ
これからも、ずっと一緒にいて…
2人の関係は良好、何もかもうまくいってるけど、内心…とても焦ってはいたんだ。こんな俺に愛里が愛想をつかしたら…?
愛里がいなくなった…あの光景を思い出すだけで、心が痛くなる。もうあんな想いはしたくない
「よかったぁ…あなたに会えて」
愛里は、ニコッとかわいい笑顔で微笑む
だとしたら嬉しい。
ヤバイ、嬉しすぎて泣きそう。もう絶対に離さない。なんでそんなかわいいこと言うんだよ。
ふわりとあたたかくて、かわいい笑顔。守りたくなる素直で優しい…俺の心にスルリと入り込んでくるんだ…
私のことなのに
自分のことのように考えてくれる
優しいあなた
ふわふわと穏やかな時間
ほんのひとときそばにいられたら
私のことは関係ない
あなたはどうしたいの?
どうなりたいの?
あなたが幸せなら
それだけでいいから
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いつも、私のことを考えてくれる優しいアラン
迷惑ばかりかけて、心苦しい。一緒にいて、穏やかな時間を過ごしていても、ずっと続くわけはないと、どこかあきらめている愛里
アランの父親の代理人…の人が、アランは跡取りだから、アランと別れてほしいと…
別れるって…付き合ってるわけじゃないことを伝えると、出て行ってほしいと…
やっぱり迷惑かけていたんだね。
夜、アランが帰ってくる前に家を出た。また行くあてもなかったけど…ママの友達のカトリーヌに相談した。結局、またカトリーヌの家に行くことに…はならなくて、カトリーヌのおばあちゃんの家に行くことになった。
俺は心が焼き付きそうに痛む
俺…もう…どうしたらいいかわからない
初めて会った日のキミの姿
きみのあたたかな思いやり
微笑みかけてくれた笑顔
思い出せば思い出すほど
俺にとってかけがえのないものだったと悟る
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早く愛里に会いたい。仕事が終わってから、急いで帰ってきたのに、愛里はいない。
父親の代理人…会社に戻るように言われ、愛里を追い出した…って…
俺はまた、愛里を失ったんだとわかった
「愛里をどこにやったんだ」怒りを含んだ低い声…
「どこへ行ったのかは、知りません」
行かないでくれ…俺を1人にしないでくれ…
「会社には戻らないと伝えてください。」
と言って、追い出した
この間のホテルに行ったけど、いなかった。どこに行ったんだよ…
今は…辛いけど
この苦しさを乗り越えたら
明日には強い自分になれるかな?
きっと…ね
変わり続けて
新しい場所へ
飛びっきりの笑顔で
自分を信じて頑張りたい
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アランの家を出てきても、まだアランのことばかり考えてしまう。でも、アランに幸せになってほしい、この気持ちに嘘はない。
今は辛いけど時がたてば…もっと強くなれるはず…だから、おばあちゃんに料理を教えてもらいながら、今を…頑張ろう
きっと、いつか…変われると信じて…
あの言葉は
俺に気を使った
優しさから出た嘘?
本当…は…?
思い知らされた
キミが俺のこと考える時間は少ないんだって
こんな俺じゃ…
愛想だって尽かされるよな
情けなさすぎ…よな
キミはこんな俺をどう思うだろう…?
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愛里は、俺が会社に戻るようにって、出て行ってしまったけど、こんな弱い俺に愛想を尽かしたのかもしれない。このままの俺じゃ、きっと愛里は戻ってきてはくれないよな……
会社には戻らないけど、愛里に会った時に恥ずかしくない俺でいたい
いつも…
これ以上ない程必死だった
それなのに…
失敗ばかりで
何ひとつ思うようにはいかなくて
でも…
人生は何とかなる
失敗しても
新しい冒険が始まるだけ
やればできるよ
全部を磨こう
これから始まる私の運命
私も覚悟を決めなきゃ
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失敗だらけの人生だけど、愛里はいつも誰かに助けられている。
過去のことは、もう考えない
もっと、ちゃんと、未来を信じて…涙をふく