賑やかな声で包まれていた体育館も、校長先生の話が始まればしーんと静まり返ってしまう。


真面目に話を聞いてる人もいれば、春休みに遊びまくっていたのか首をカクカクさせて眠りこくってる人もいる。



私はどちらかといえば前者だけどさ!


真面目だからね!



…自分でいうと悲しくなってくる…。



いつの間にか校長先生の話も終わり、司会の教頭先生が進行を続ける。



「次は、新任の教師を紹介いたします。ではあらき先生、前へお願いします」



体育館中の視線がすべて、その教壇へ向かう人物に集中する。


途端、ざわざわではなく軽い黄色い歓声のようなものが所々に湧く。


寝ていた人もその騒ぎに気づいたのか段々と起き始め、小さな歓声が広がっていく。


私も不思議に思いながら視線をあらき先生とやらに向けてみる。




向けたが最後、私の視線はその存在から離れることはなかった。




背が高くスラッとしてて、顔は…遠いからよく見えないけど、端整な顔立ち。


髪の毛は目に軽くかかり、襟足まで伸びてパーマがかかってて…