「つまりはな、上原には夢を持って欲しいんだ」


「夢、ですか」


「そう、夢だ。お前には音楽っていう才能があるだろ?それを伸ばして欲しいと俺は思ってる」




先生の真剣な表情に不覚にもキュンとしてしまいましたなんて言えない、口が裂けてもいえない!




「だから就職より進学して、勉強して友達作って学校生活を楽しんでもらいたいんだ」




まだ初日から二日しか経ってないのにこれだけ考えくれてるなんて…




「つまりは、私に進学しろと?」


「まあそういうことだ。でも無理強いはしないから安心しろ!」




いや、十分してると思うんだけど




「最終的に決めるのは上原だからな、俺は提案したまでだ。少し考えてきてほしい」


「考えてはみますけど、どうしてそこまで…」



「なんでかな…上原になにか特別なものを感じるんだよな」





!?



それはなんですか、



特別ってなんですか!?




必死に本音をしまう。




「ごめんな、困惑させて。でもなんか感じるんだよな、懐かしさみたいなやつ?」





あ…




一緒だ




“懐かしい"って感覚、私も持ってる…