荒木先生は3枚の紙をみつめる。
「ほーう、深澤はバスケ部のエースだっけか」
「はい、そうです」
「若月は?空手続けないのか、残念だな」
「まぁね~」
「上原…も就職か」
「っ!あ、はい」
うう、突っ込まれた…!
しかも名前呼ばれてちょっと反射的にビクってしちゃったじゃない…!
「上原は吹奏楽の部長なのにな、お前ももったいないなぁ」
あれ?
二人のもだけど、私の部活も知ってる…
「ですよね先生!もっと言ってやってください!」
「お前が言える口か若月~」
「言えないです~」
「それより荒木先生、よくあたし達の所属知ってましたね」
ナイス七世!
それちょうど気になってたの!
七世の問いに、先生は誇らしげな態度を取る。
「そりゃあ副担任だからな!担任であることに変わりはないんだ。副だからってなめんなよ?」
「へぇ、さっすがー!」
「だろ!まぁ、とりあえずこれは受け取ったから寄り道せずに帰れよ!高山先生にはちゃんと渡しておくから」
「はーいさようなら!」
「さようなら」
「さ、さようなら」
「さよーなら、気をつけてな!」
先生を背にドアに向こうとした瞬間。
「あ…上原」
「え…?」
「いや、なんでもない、また明日な!」
「?…はい、また明日」
「穂香ー?行くよー!」
「ごめんね!今行くー!」
そしてそそくさと急いで二人の後を追う。
び、びっくりした…っ!!
急に、名前、呼ぶなんて!
なんか嬉しいとか思っちゃったじゃない…!
でもなにか言いたげな顔してたなぁ
なんだったんだろう…?