ガチャンッ


優衣はお母さんに電話をしにいくために部屋を出ていった


体の調子も良くなってきたし、優衣の分の布団出さなくちゃな。


俺はそう思ってクローゼットから予備の布団を出して優衣が帰ってくるまでに引き終わることができた


引いてる途中に帰ってきたら確実に怒られるしな


その時


ガチャン


『おまたせー…って布団出てる?』


そう言って一瞬不思議そうな顔をするとすぐに思い付いたような顔をして


『孝が出したの?寝てなきゃダメでしょ?』

そう言って少し怒ってしまった


バレちゃったな…←普通、考えれば解るだろ笑


「ごめん。今からちゃんと寝るから!」

『……別に怒ってないし。』


…うん。明らか怒ってるよね!?


「どうやったら許してくれる??」

『……』


俺は少し小さな声で聞いた


すると


『……こと。』

「え?」

『すぐに寝て、風邪を治すこと!!!わかった!!?』

「は、はいっ!?」

『じゃあ、おやすみ。』


そう言うと優衣はすぐに部屋の電気を消した

急に大きな声出すからビックリした……


そんなことを考えていると


ガサゴソ


優衣が布団に入る音が聞こえた。


……?


「優衣」

『……何よ…』

「晩飯…食わねぇの?」


勝手に台所使ってくれていいのに、と俺は付け足して言った。


『いいの。今日疲れたし。』


じゃあ、おやすみ。と言うとすぐに優衣の寝息が聞こえてきた


……そんなに疲れてたのか…?


それなのに俺は看病させちゃったし…


悪いことしちゃったかな…


「ありがとな、優衣」


今度ちゃんとお礼しなきゃなと思いながら俺は目を閉じた

トントンッ


「んっ?」


誰かに今叩かれた?


『孝…』


…俺のこと呼んでる……?


『孝ってば』

「……優衣?」

『…やっと起きた。』


はぁ、と少し疲れたようにため息をつく優衣


『朝ごはん。作ったんだけど食べる?』


まぁ、まだ風邪が治りかけだと思うから朝ごはんって言ってもうどんだけどねという優衣


「優衣が作ったものなら何でも食べるっ!!!!!」

『……もう大丈夫そうね。』


そう言うと優衣はそそくさと部屋から出ていった


俺も優衣のあとを追ってリビングに行き、うどんを食べた









*優衣side*










「優衣ー!おはよー!!!」


教室に入ってきたとたんに叫びながらあたしに抱きつこうとする孝


『キモい。』

「ブフッ!?」


それを抱きつかれる直前で避けるあたし


そのせいで孝は壁で顔を打っていた


「いってー……」


痛そうに顔を隠す孝


『孝が悪い。』

「すいません……(._.)」

孝が風邪をひいてから約一週間がたった


おかげさまで孝はうざいくらい調子が良さそう


……まぁ、良いことだけどね。


「孝と新山おはよう。」

『あ、林本くんおはよう。』

「來おはよう!」


今挨拶をしてきた林本くんは小学校の頃から孝と学校が同じらしい


まぁ、幼なじみで親友ってとこね。


「來!聞いてくれよ!!」


そう言うと孝は林本くんにさっきのあたし達のやり取りを話していた


「な!俺可哀想だろ!!?」

「いや、それはお前が悪いだろ」

「( ;∀;)」

そんな二人のやり取りを見て思わず笑いそうになってしまうあたし


でもそこをぐっと我慢した


孝がうるさそうだしね


あ、


『孝、今日はあたし用事があるから一緒に帰れないの。』

「え?そうなの?」

『うん。』

「帰りはちゃんと気を付けろよー」

『孝じゃないから大丈夫。』

「そうですか……(´・ω・`)」


そんなあたし達のやり取りを見て林本くんは笑っていた







*孝side*