*優衣side*




それから孝はあたしを家まで送ってくれた。


『ねぇ』

「ん?」

『もうバス無いけど、どうやって帰るわけ?』


ここら辺はバスの本数が少ない。


さっきあたし達が乗ってきたバスがもう最後のバス


「トレーニングがてらに走って帰るから大丈夫!」


そう言ってニコッと笑う孝


『でも走っても孝の家まで最低30分はかかるんじゃない?』

「いーのいーの!俺が好きで優衣を家まで送ったんだし、それにそのくらいの方がトレーニングっぽいだろ?」

『………まぁ、取り敢えず怪我だけはしないでね。』

「あれ?もしかして心配してくれてるの??」


そう言いながら嬉しそうにあたしの顔を見る孝


そんな孝にムカついてしまったあたしは


ガチャンッ


「Σ(゜Д゜)」


そのまま家に入って鍵を閉めた

すると


~♪


すぐに孝からメールが届いて


"じゃあ、俺帰るねー。おやすみ(о´∀`о)ノ"


………別にいちいちメールしてくれなくてもいいのに。


そんなことを思っていても、実はすごく嬉しかったり


『…もっと素直になれたらなぁ……』


孝だってすごく喜んでくれると思うんだけど……


どうしても恥ずかしさが勝っちゃって…


「優衣ー!帰ってきたんならご飯食べなさーい!」


お母さんの声が聞こえたあたしはしぶしぶリビングに向かった
ジリリリリリリリリッッッッッ!!!!!


バンッ


うるさい目覚ましの音で起きたあたし…


『……また1日が始まる…』


授業面倒だな……


それに


『寒っ』


今はまだ9月の半ばぐらい


でもこの頃はもう寒くなってきた


『……早く準備してご飯食べよ…』


そう思ってあたしは準備し、ご飯を食べて、学校に向かった

キーンコーンカーンコーン


『………』


…おかしい。


孝が学校に来ない…


遅刻だろうと思ってずっと待っていたけど、今はもうすでに3時間目が終わった


あたしは自分のケータイを見てみる


でもメールは無い。


『どうしたのよ………』








*孝side*




……熱ぃ


今何時だろ……


頭くらくらするし……


あー……優衣に会いてぇな………


「ゴホッゴホッ」


……でも絶対これ風邪だよな……


今は親が旅行に行って不在


だから看病をしてくれる人もいない


「取り敢えず……ゴホッ………体温計……」


俺は起き上がろうとした……でも………


「………」


力が入らなくて起きれる気がしねぇ…

ガチャンッ


「!!!!!」


……俺…玄関の鍵…閉め忘れてた…?


冷たい汗が頬をつたう


………泥棒…とかだったりしちゃう?


その時ガチャリと俺の部屋の扉が開き


『…孝?』


俺の愛しい人が顔を出した









*優衣side*