「大地、明日練習試合だっけ?」



「うん、北高と」




私たちはお互いバレー部に所属している。


県内ではそこそこ強く、ベスト8の常連だ。






この二年生の夏にどれだけ成長できるかで、私たちの命運は決まるかもしれない。






「がんばって、予選も近いし」




「今年は、勝てるかな」




「まぁわからないけどね」







私たちがバレーボールを始めたのは小学校五年生。


これといったきっかけはないけど、大地と同じクラスだった友達に誘われたのは覚えている。



近くの体育館で練習していたこともあり、好奇心はすぐに掻き立てられた。




見学をし、初めてボールをさわり、気がついたら毎日がバレーで回っていた。





頑張ってきたものは、と問われればそれはもうバレーしかないと思う。