「女子って大変だね」




ふとリビングに浮かんだ言葉は、私の頭の中でぐるぐると回った。







「なにを見てそうおもったの?」



唐突すぎて頭がついていかない。


大地がみていたテレビを覗きこんでも、それらしきことは映されていないし、現実的なそういう揉め事も聞いたことはない。



本当の意味もよくわかっていないのだけど。



「いや、なにっていわれるとあれだけど」




どれよ、とお決まりの文句を返す。






私は呆れて話から耳をそらし、手に据えていた牛乳を冷蔵庫に入れ戻す。



この暑い日にはカルシウムは必須。







「あんまり七海に思ったことはなかったけどさ、女子の特有の思い込みって言うか…」



「夢見てるところ?」





「そう、それ」





「それは男子にも言えると思うけどなぁ」