「今日は根っこの続きと、前歯の治療に入りたいんだけど……」
診察室で、治療の説明をすると案の定不安そうな顔をした。
「先生って…おかしいと、思います?前歯が…虫歯なんて…」
「僕は、そうは思わない。虫歯になっても治せばいいんだから。もちろん気をつけるに越した事はないけどね」
ポーッと。
夏依ちゃんは頬を赤らめたまま動きが止まってた。
「おーい?どうした~?」
「っ…あ、あのっ……大橋先生って、付き合ってる人とか…いないんですか…?」
急過ぎる質問。
答えるべきか、少し悩んだ。
「…いるよ。パートナー」
結果、正直に答えた。