4月1日に入寮してから、5日まで寮に慣れるということでしばらく自由に生活していたが今日6日からは厳しい寮生活だと聞かされて、それまた息苦しい。

縛られて生活するのは苦手だ。
友達も一人も作れてないし、第一チャラチャラしていたあたしがこのお嬢様達とうまくやっていけるのかと心配になった。

あたしはどうやら1年B組。
担任は、なんと意外にもイケメンな男の先生だった。

「新入生の皆さん、B組の皆さん、始めましてですね。佐渡圭斗といいます。僕も今年からこの廿日市学園に来たばかりなのでわからないことが多いですが3年間一緒にがんばっていきましょう。」

さすが厳しい学校だけあって、誰もキャーキャー騒がなかったけれど、内心みんなかっこいいと思っていたことだろう。
少し茶色みがかった黒の髪は清潔感が漂っていて、モデルのようにスラッとしていた。
少しだけこの学園で楽しく過ごしていけそうだと思った。

入学式が終わったあと、教室に移動して一人一人自己紹介を行った。
24人と若干少ない気もする人数だが、少ない方が皆仲良くなれる気がする。

私の席は丁度真ん中の前から2番目。
前の人が自己紹介を終わり、少し緊張しながらも席を立った。

「平田恵梨です、山内6中出身です。よろしくお願いします。」

小さな拍手をされて、席についた。
少しドキドキしている心臓を抑えながら前を見ると、たまたま先生と目があった。先生はニコッとしてくれたけど、あたしはその笑顔を直視できなかった。
なんだあれは…眩しすぎる…!
さっきより心臓がうるさいのは、気のせい?