するとそこで思いもよらない宗佑が助け舟を出してくれた。

「そうですよ、ちょっと藤川に作ってもらったらどうですか?どうせあの家、酒位しかないんでしょう?」

「え、あんた行ったことあるの?」

びっくりして隣で同じくフライを食べる宗佑に聞く。

「部長が酔いつぶれた時送って行ったんだよ」

「なるほど」

その手があったか。
そうふと思ったその顔を、高城先生にげっそりした顔で見られていた。

私が直接的にアプローチし始めてからよく見る顔だ。
もちろん、そんな顔をされても退くつもりはないけど。


……別に、私だって、こんな積極的に出るつもりはなかった。

前は尊敬する彼の下でずっと一緒に働けるなら、本当にそれだけで良かった。

でも、ずっと傍らであなたを見ているから気付いてしまうことがあった。

ふとした時、なんとも言えない切ない表情をすることを。

きっとその傷は根深いもので、私なんかに癒せるようなものじゃないのかもしれない。

だけど、だけど、やっぱり好きだから放っておくこともできないんです、先生。