あぁ、やっぱり恥ずかしいのか。
ショートパンツにニーハイだもんな。

誰が考えたんだか知らないけど、なんで冬のもこもこ仕様なくせにそこだけ無駄な露出をしたいのか。
これが女子には可愛いのだろうか、なんて泊まりに来る女の子の姿を見るなり思っていたが口にしたことはなかった。

多分俺に可愛いと思って欲しくて着てるのだろうから。
まぁ、全くの無駄な努力なんだけど。

そう思って、ふと彼女を見やる。
まさか、俺が変な気でも起こすのかと思っているんじゃ。

じっと見つめる俺の視線に、不安げな様子で聞いてくる。


「な、なんですか?」

「あ、大丈夫、全然なんとも思わないから」

「は……?」


表情一つ変えずあっさり言う俺に、そいつは瞬間湯沸かし器の如く顔を赤くさせた。
しかし誤解されたままなのは嫌だ、俺の沽券に関わる問題なのだから。


「そ、そんなの、分かってますよ!ただ、自分がこういうのを着ていて恥ずかしいだけで……っ」

すると少し声を荒たげて言い返してきた。
いつもの調子が戻ってきて、少しほっとする。


「でも、あの色々彼女に申し訳ない……」

そう頭を垂れる彼女に苦笑いして否定する。
服も化粧水も彼女のものだと思われているらしい。

「彼女?まさか、違う違う」

すると、察しの良いそいつはすぐに気付いたようで、それ以上どんな関係の女なのか聞いてくることはなかった。

しかし、心配そうに顔をしかめたまま、ちらっと俺の顔を見る。


「あの、勝手に私に服とか化粧水とか貸しちゃっていいんですか?しかも泊めるなんて……怒らないんですか?」

「あぁ、別にいいよ。それで怒るような女とは付き合わないから」

「……なんだか、すごい横柄ですね」


ぼそっと素直に出た一言に、イラっと来るもこらえる。

そうだ、こいつはこういう女だ。
今は一時的にしおらしくなっているが、こういうストレートにものを言う嫌味な女だった。

だけど元気がないよりはいい、こんないつまでもしょぼくれられていたら、からかい甲斐もない。