『……俺がした時、未結に気持ちがなかったことなんて一度もないよ』
『分かっただろ、もうこれ以上好きな子は傷つけたくないんだ』
何度も頭の中で繰り返されるそうちゃんの言葉。
好きな子……?
それは私のこと?
ダメだ、今更こんなそうちゃんの本当かどうかも分かんない言葉に惑わされちゃ。
そうちゃんの言葉なんて信じちゃダメだ。
また傷つくだけなんだから。
そうちゃんはダメだ、そうちゃんは信用できない。
昔の恋の痛手は今も胸に深く刻まれている。
だけど、もし今度こそ本当だったら……?
そんな風に、少しでもその言葉に期待したくなってしまう自分がいる。
そんな、そうちゃんの言葉を忘れられない弱い自分に耐えれず彼の下へ戻った。
どんな私でも彼は受け入れてくれる。
そうちゃんみたいに嘘はつかない。
私が欲しいのはもうときめきじゃない、ただ私を想ってくれるという安心感が欲しいのだ。